楽しく美味しい食事時間 vol.06
『人工甘味料』は本当にヘルシー?健康的な食生活のために知っておくべきこと!
近年よく耳にする人工甘味料。漠然と”良くないもの”というイメージがありつつも具体的に何なのかはよく分からない、という方も多いのではないかと思います。人工甘味料は砂糖のように自然に存在するものとは異なり、人工的に化学合成された甘味料のことを指します。
人工甘味料は熱に安定で水に溶けやすい性質などから、飲み物やお菓子類によく使用されています。少量でも甘みが強く砂糖よりも低カロリーのため、摂取エネルギーの低減や摂取後の血糖値の上昇を抑制する効果が期待できることから肥満や糖尿病の予防に有用と思われていますが、これには落とし穴があります。
まず、人工甘味料の習慣的な摂取は味覚や腸内細菌叢(腸内フローラ)に変化をもたらし、結果的に糖代謝に影響を及ぼしている可能性があるという研究が出ています。それだけでなく、WHO(世界保健機関)によると成人を対象とした短期間での研究では人工甘味料の使用が多い方が減量効果を認めたが、年単位にわたる長期的な研究では人工甘味料の使用が多い方がむしろ体重増加を認めたということが発表されています。一般成人における長期的な有益性を示すエビデンスはありませんが、年単位にわたる長期的な影響として糖尿病や心血管疾患などのリスクを高める可能性が示唆されており、摂取カロリーの低減や摂取後の血糖値の上昇抑制を認めているものの『減量や生活習慣病予防のために人工甘味料を使用しないように』と提言しています。
人工甘味料が使用されているダイエット食品に頼りすぎず、自然な甘みを楽しみながら、いろいろな食材を取り入れてバランスの良い健康的な食生活を送ることがやはり大事だということですね。